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GarageBand(ガレージバンド)は、iPhoneやiPad、Mac OSで使える無料の音楽制作アプリです。楽器演奏や音楽制作の経験がない人でも、直感的に音楽制作ができるよう、さまざまな便利機能が搭載されています。
ここで紹介するのは、iPhone版のGarageBand。iPhoneさえあれば、場所を選ばず好きなときに曲制作が可能です。今回は、内蔵音源の「Guitar」と「Bass」の基本操作について、動画を交えながら解説していきます。
GarageBandをはじめる
使用するバージョンは「2.3.8」。お手持ちのiPhoneからGarageBandのアイコンをタップして起動します(アイコンが見当たらない方は「App Store」からも入手可能)。
起動すると以下の画面が表示されるので、画面左側の「曲の作成」、または右上の「+」マークをタップしてスタートします。
ギター初心者にとってコードは最初の難関ですが、GarageBandの「GUITAR」を使えば、複雑なフォームを覚えなくても指一本でコードを弾くことができます。「Bass」も同様に、コードに沿った簡易的なベースラインをすぐに弾ける機能が備わっています。
初心者でもすぐに弾ける「GUITAR」
「GUITAR」は、アコースティック・ギターやエレキギターを再現した音源。複雑なフォームを覚えずに指一本でコードを弾いたり、実物と同様に弦と指板で弾くこともできる。ディストーションやワウペダルといったギターの定番エフェクターなども用意され、自動演奏機能にも対応している。
多様なベースに対応した「BASS」
「Bass」は、さまざまなベースギターの音を再現した音源。上記の「GUITAR」と同様に、コードの概念を理解していなくとも、コードに沿ったベースラインを作ることができたり、実物と同じく弦と指板で弾くこともできる。エレキベースのほか、クラシックなシンセベースやアップライトベースも用意され、自動演奏機能にも対応。
■無料アプリ GarageBand(ガレージバンド)であなたもミュージシャン!(第3回:ベース編)
■無料アプリ GarageBand(ガレージバンド)であなたもミュージシャン!(第4回:ギター編)
「コードの編集」について
動画では、「コードの編集」についても触れていますが、コードを知らない方には少々難解かもしれません。「コードの読み方が分からない」という方は、以下を参考にしてください。
◆コードとは?
「ド・ミ・ソ」などの複数の音を鳴らす“和音”のことをコードと呼びます。メジャーやマイナーコードといったコードを組み合わせることで、曲の大枠を作っていくことができます。
コードには「C、D、E、F」などの名前が付いています。このアルファベットは、英語圏での「ド・レ・ミ・ファ」(※)を指し、現代ではコードを表記する場合、このアルファベットが使用されます。「ド」を基調とするコードなら「Cメジャー/Cマイナー」、レを基調とするなら「Dメジャー/Dマイナー」となります。
コードで作曲するには、それなりの知識が求められます。ネットや書店、YouTubeには、さまざまな楽曲のコード譜があるので、まずは好きな曲のコードを参考にするのがお薦めです。
■(例)アース・ウインド & ファイアー「September」
◆コードの種類・読み方①(メジャーとマイナー)
メジャーとマイナーはもっとも基礎的なコードの2種で「ド、ミ、ソ」などの3つの音を重ねた3和音の響きとなります。
C=「C」などのアルファベット表記のみ、または「C Maj」が付けば「メジャー」を指し、この場合は「Cメジャー」となります。混じり気のない明るい響きが特徴です
Cm=「C」の横に「m」、または「C Min」が付けばマイナーを指します。この場合は「Cマイナー」となります。少し暗めでクールな響きが特徴です
◆コードの種類・読み方②(セブンス)
上記のメジャー/マイナーにもうひとつ音を加えた「ド、ミ、ソ、シ」などの4和音で構成されたコードです。代表的なセブンスコードには、以下の3種類が存在します。
Cmaj7(C△7・CM7)=「C」の横に「maj7」「M7」「△(△7)」などと表記される場合はメジャー・セブンスを指します。メジャーコードにひとつ音を加えた「4和音構成」で、メジャーの響きとは一味違った響きになります。
Cmin7(Cm7) = Cの横に「min7(m7)」などと付けば「マイナー・セブンス」を指します。マイナーコードにひとつ音を加えた「4和音構成」で、マイナーの響きとは一味違った響きになります。
C7=「C」の横に「7」が付く場合は「Cセブンス」、または「Cドミナント・セブンス)を指します。上記のメジャー/マイナーセブンスと同じく4和音構成ですが、少し不安定な響きに聴こえます。用途を理解するには、それなりの知識が必要ですが、コードを循環させる上で非常に重要なコードになります。
◆コードの種類・読み方③(ナインス/分数コード)
上の参考動画に上げたアース・ウインド & ファイアーの「September」には、セブンスなどのほかに「F#m7(9)」や「C(maj9)/A」といった複雑な記号だらけのコードも登場します。コード初心者の方には少々難解な説明になるので、ここでは「コードを編集」での設定の仕方を中心に解説します。
F#m7=Fのシャープ(#)は、F(ファ)とG(ソ)の間の音で「F#(Fシャープ)」と読み、「m7(マイナーセブン)」が付くので「F#m7(Fシャープ・マイナーセブン)」となります。
F#m7(9)=「September」には、「F#m7」に「9(ナインス)」が加わるので「Fシャープ・マイナーセブン(ナイン)」となります。GarageBandの「コードの編集」は、ここまで細かな設定はできないので、この場合は「Min」と「7」、または「Min」と「9」で近い響きが作れます。
C(maj9)=「C maj(Cメジャー)」に「9(ナインス)」が加わるので、この場合は「C maj9(Cメジャーナイン)」となります。
C(maj9)/A=上記の「C(maj9)」に「/A」、または「on A」などと表記されることを「分数コード」または「オンコード」と呼びます。これは「C(maj9)」に「A」のベース音が加わったことを差しますが「何のこっちゃ?」かと思います。
GarageBandの「コードを編集」では、右側で「ベース」を選べるので、この場合は「Maj」と「9」を選んで、ベースを「A」にすれば「C(maj9)/A」を作ることができます。分数コードは、他の曲でも頻発するコードなので、作り方だけでも覚えておくと良いでしょう。
ほかにも「Dim(ディミニッシュ)」や「Aug(オーギュメント)」といったコードが登場した場合も「コードを編集」を使えば設定することができます。参考曲に合わせて設定してみましょう。コードを習得するには時間と根気が必要なので、まずは自分のお気に入りの曲をコピーして、楽しみながら演奏することをお薦めします。
次回は、GarageBandを使った「レコーディング」について解説します。