投稿日 : 2020.09.11

【Foi インタビュー】親に内緒で日本の高校を受験─ 軽音楽部からプロの道へ

Music

取材・文／村尾泰郎

日本の高校の制服を着たくて…

シンガー・ソングライターの Foi（フォイ）は日本と中国のハーフ。小学校３年から中学を卒業するまで中国で育った。母親の勧めで幼い頃からピアノを習っていたものの、厳しいレッスンが嫌いで仮病を使ってズル休みしてばかり。そんな彼女が音楽を楽しむようになったのは、日本の高校に入学してからだった。

「どうしても日本の高校の制服を着たくて、日本に戻ったんです。理由を話すと母親に怒られたけど、勝手に受験して。それで高校に入学した時に、軽音楽部に入ってギターを弾き始めました」

ピアノ経験のある彼女だったが、選んだのはギターだった。

「自分が好きな歌手がギターを弾いて歌っているのを見て、かっこいいなって思ってたんです。ギターの練習は苦になりませんでした。自分にあってたんでしょうね」

軽音に入ってすぐ、彼女はクラブの友達の勧めでソニーの音楽スクール「the LESSON」のオーディションを受けて見事合格。そこでミュージシャンとしての基礎を学んだ。

親に感謝。オーディションの合格理由。

「合格すると無料でレコーディングできると聞いて。ミュージシャンが使っているスタジオがどんなものか見てみたい！と思ったんです。ただのミーハーですね（笑）。それでオーディションを受けたら、演奏も歌も下手なのに、なぜか受かったんですよ。あとで先生に聞いたら『声が良かったから』と言われて、親に感謝しました」

2020年8月20日、ライブ配信イベント「MUSIC GATE」に出演した熊川みゆ。同イベントは8月19日、20日の２日間で実施され計６組が出演した。次回は9月20日（日）、21日（月・祝）、22日（火・祝）に開催決定。出演者ほか聴取方法はMUSIC GATE サイトにて。

こうして彼女は「the LESSON」で曲作りを学び、シンガー・ソングライターとしての才能を開花させていった。「メロディも歌詞もキャッチーなものが好き」という彼女の音楽的ルーツは、子供の頃に聴いていたジェイ・チョウ、タニア・チュアといったアジアのシンガー・ソングライターだという。彼女にとって、アジアン・ポップスの魅力とはどんなところだろう。

「メロディに動きがあるんですよね。ギター一本で歌っても魅力的。そういったことは自分で曲を書くときも意識しています。でも、メロディーは大切だけど難しい。最近、自分らしい歌詞はわかってきたんですけど、自分らしいメロディはまだ探しているところです」

夢はアジア全域へ…

彼女は大学在学中からインディーで活動していたが、今年に入って本格的に音楽活動に専念。３月に片寄明人をプロデューサーに招いたシングル「Bad Friend」をデジタル・リリース。

さらに８月に発表した新曲「Swim in your eyes （prod.Shin Sakiura）」は Shin Sakiuraと一緒に曲を作り上げるなど、様々なアーティストとコラボレートしてサウンド面にも力を入れている。

「今回、Shinさんとはオルタナでチルなイメージの楽曲を制作しました。今後はソウルとかR＆Bみたいなサウンドも試してみたい。いろんな曲を作って行くうちに、自分にいちばん合うサウンドがわかってくるのかな、と思っていて。ボーカルのスタイルも、サウンドに合わせていろいろ試してみたいですね」

好奇心の赴くままに音楽の扉を開けて、自分のスタイルを探しているFoi。透明感のある歌声としなやかメロディーは、どんな風に変化していくのだろう。いつか日本を飛び出してアジアを目指したい、と夢を語る彼女の冒険から目が離せない。

Foi／フォイ
1998年1月27日生まれのシンガーソングライター。十代の前半を中国で過ごし、この頃の現地で聴いた「現代ポップスと伝統的な中国音楽を織り交ぜた音楽」から大きな影響を受ける。その後、日本の高校に通いながら本格に音楽活動を開始。2020年3月、プロデューサーに片寄明人（GREAT 3）を迎えたシングル曲「Bad Friend」をリリース。同年8月にはShin Sakiura をプロデューサーに迎えた楽曲「Swim in our eyes（Prod.Shin Sakiura）」を発表。

Foi 公式サイト
https://foiofficial.wixsite.com/foi-official