米テレビ局「HBO」で放送されたニューヨーク・ハーレムの伝説的クラブ「アポロ・シアター」のドキュメンタリー作品『The Apollo』。同作が、エミー賞の「ドキュメンタリー/ノンフィクション特別番組部門」を受賞した。
エミー賞は、優れたテレビ番組やドラマなどに贈られる米テレビ界最高峰の賞で、映画界におけるアカデミー賞/音楽界におけるグラミー賞にも例えられる。
アポロ・シアターの85周年を記念して制作された『The Apollo』は、同クラブの歴史を綴る貴重なアーカイブ映像とともに、音楽、コメディ、ダンス、著名アーティストたちの新たなインタビューなどを交えた映像作品(日本での公開は未定)。
1860年代にダンスホールとしてスタートしたアポロ・シアターは、1934年に黒人エンターテイナーのための劇場に変貌。アマチュアの登竜門「アマチュアナイト」はあまりにも有名で、これまでエラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ、ジェームス・ブラウン、サラ・ヴォーン、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーなど、多くの世界的スターを輩出してきた。
本作の監督を務めたのは、黒人監督として初のアカデミー賞に輝いたロジャー・ロス・ウィリアムズ。ロジャー監督は、以前アポロ・シアターについて次のように語っている。
「アポロ・シアターは音楽を奏でるためだけの場所ではありません。音楽とアートを通して抑圧から抜け出す手段でもあったのです。アポロ・シアターの歴史は、ブラック・アメリカンたちのアイデンティティの進化の物語であり、いかにして現代における文化的ムーブメントを築いたかを記しています」
■エミー賞ウェブサイト
https://www.emmys.com/shows/apollo