テレビドラマの脚本やエッセイなど、多彩な活動で知られる向田邦子の没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」がスパイラル(東京都港区)で開催される。会期は2021年1月14日(木)から24日(日)まで。
1929年東京生まれの向田邦子は、女性の社会進出がまだ難しいとされた時代に編集者やラジオ番組の構成作家として活躍。やがて作家として約1000本のテレビドラマの脚本を手がけ、数々のヒット作品を生み出した。さらにエッセイでは数作の短編小説で直木賞を受賞。1981年の飛行機事故により51歳で急逝した今もなお、向田が残した数々の作品と“自分らしく気持ちよく暮らしたい”というライフスタイルは、世代を超えて共感を生み、憧れの対象であり続けている。
今回のイベントは向田が最後の10年を過ごした東京・青山を舞台に、末妹・向田和子監修のもと、合津直枝(テレビマンユニオン)を総合プロデューサーに迎えて開催される。会場構成・アートディレクションは、デザイン事務所KIGIの植原亮輔と渡邉良重が担当。向田の愛用品や生原稿、写真など約300点の資料が展示され、新たに製作されたドキュメンタリーの上映や、舞台やコンサートなどのイベントも行われる。
軽やかでしなやかな風のように生きた向田邦子の51年の軌跡が、デザイン、グラフィック、文芸、演劇、音楽など、今現在さまざまな分野で活躍する才能と掛け合わさり、新たなクリエーションとして楽しめる内容となっている。
向田邦子 没後 40 年特別イベント 「いま、風が吹いている」
■会期:2021年1月14日(木) ー1月24日(日) 11:00ー20:00
■会場:スパイラルガーデン(1F)、スパイラルホール(3F)
*入場制限がある場合があります。
・展覧会
■会場:スパイラルガーデン(1F)入場無料
2021年1月14日(木) ー1月24日(日) 11:00ー20:00
・ドキュメンタリー映画『向田邦子を追いかけて』
■会場:スパイラルホール(3F)チケット制
2021年1月20日(水)15:30 /18:30
2021年1月21日(木)12:30 / 15:30 /18:30
・舞台『弔い上げ〜寺内貫太郎33回忌法要』
■会場:スパイラルホール(3F)チケット制
2020年1月23日(土)14:00/17:30
・『向田邦子・風のコンサート』
■会場:スパイラルホール(3F)チケット制
2020年1月24日 (日) 15:00
向田邦子 〈1929-1981〉
昭和4(1929)年東京生まれ。保険会社に勤める父親の転勤に伴って幼少時から高等女学校時代まで日本全国を転々としながら育つ。ふるさとを 持たない身でありながら、小学3年生から2年余りを過ごした鹿児島を、のちに“ 故郷もどき ”として親しむ。実践女子専門学校(現・実践女子大学)国語科を卒業後、映画雑誌の編集者を経て、ラジオの構成作家、テレビ脚本家として活躍。代表作には「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」 などがあり、1970-80 年代のヒットメーカーとなる。46歳での乳がん発症をきっかけにエッセイを手掛けるようになり「父の詫び状」を出版、1980年「小説新潮」に連載中の『思い出トランプ』の「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第 83 回直木賞を受賞し、“ 時の人 ” となる。翌 1981年8月飛行機事故で急逝。享年51。残した作品と同様に、旺盛な好奇心を寄せたセンスのいい生活スタイルが多くの人々を魅了し続けている。