渡辺信一郎（アニメーション監督）が選ぶ2020年のベスト3枚

2020年の音楽との接し方は、外出もままならぬ状況での自宅DIGによる旧譜再発見、そして仕事場のすぐ近所にできたナイスな店、CHEE SHIMIZUさんのORGANIC MUSICでの未知の過去音楽との出会い、この二つが多かったですかね。でも新譜も良い作品が多かったです。

Jameszoo & Metropole Orkest(conducted by Jules Buckley)
『Melkweg 』

元テコンドー選手だとかいう曲者ビートメイカーの、なんとメトロポール・オーケストラとの共演作。こういうクラブ・ミュージックとオーケストラの共演作はいくつか出てますが、だいたいどっちかが遠慮気味というか、及び腰なものが多いですがこれはいいです。ちゅうかこの人こういう才能があったのかと驚き。YOUTUBEにある映像付きのを推奨です。

CARIBOU
『SUDDENLY』

センスとアイデアさえあればいい曲が作れてしまうというクラブ系音楽の世界でもやはり音楽的才能のある人はいて、もう２０年選手のダン・スナイスもそのひとり。ここにきて最高傑作なのでは？といういぶし銀のエレクトロニック・ミュージックで、程よくメロディック、程よくエクスペリメンタル。沁みます。

GOLDMUND
『THE TIME IT TAKES』

コロナ禍におけるミュージシャンは創作意欲がそがれてしまう人と逆に旺盛になる人に分かれる気がしますが、キース・ケニフさんはまさに後者で、さまざまな名義でいま大量のリリースを続けてます。もともとセンスのいい人ですが近年、メロディメイカーとしての才能も発揮してますね。そして彼とは近々、一緒に仕事をすることになるかも？