投稿日 : 2021.01.14 更新日 : 2021.10.12

自宅で味わえるLIVE体験! おすすめオンラインライブ・サービス9選


コロナ禍で、生活やビジネスのオンライン化が一気に進行した。そこは音楽やエンタメも同様、さまざまなアーティストたちが続々とオンラインで有料コンサートを実施中。もはや “自宅でのライブ鑑賞” は、エンタメのひとつの選択肢として定着しつつある。しかもこうしたライブ配信は「生のコンサートの代替物」ではなく、オンラインの利点を活かしたオリジナルな体験コンテンツとして発展中だ。

まずは、オンラインのライブ配信とはどういうものなのか? 有料配信サービスは何が優れているのか? を解説。さらに、どんな事業者があって、それぞれどんな特性があるのか? など、順を追って紹介しよう。

そもそもオンラインライブとは?

これまで、アーティストがファンの目に触れる機会といえば、生のコンサートテレビ出演、ファンクラブを介したイベントなどが一般的であったが、SNSの普及やネットコンテンツの充実によってその様子も大きく変化した。

TwitterやInstagramではアーティストのリアルタイムな情報を知ることができるようになったし、近年ではアーティストが積極的にSNSなどを通じてオンラインの生配信を行うようになった。YouTubeでは無料でさまざまなライブ配信を観覧できるほか、チャット機能などを利用し、生のコンサートとは違った形でアーティストと触れ合うことができる。

他にもInstagramのライブ機能を使ってプライベートな様子やファンとのやりとりを配信したり、ライブ配信に特化したサービス(SHOWROOMなど)を利用して配信を行うことは、近年のアーティストにとって生のコンサートやテレビ出演と同じくらい当たり前の活動となっている。

コロナ禍で急増した有料オンラインライブ

新型コロナウイルスの流行に伴う大規模イベントの自粛要請以降、新たなコンテンツとして急増したのが有料のオンラインライブサービスだ。それまであったSNSなどにおけるアーティストのライブ配信と比べ、コンテンツ量や質が圧倒的に向上した。投げ銭システムやコメント機能を売りにしているサービスも多く、利用者は他のファンやアーティストとの一体感を味わうことができる。また、生配信とのセットで、演者のトークセッションインタビューメイキング映像など、観覧者特典が組み込まれることも。

こうしたライブ配信の大きなメリットは、日本中どこにいても(ライブハウスやコンサートホールのような)鑑賞体験ができること。しかも、通常のコンサートではなかなか体験できないアングルで観ることができるのも魅力だ。さらに、チケット価格は2000〜3000円程度と生のコンサートよりも安価なものが多く、お試し的な感覚で気になるアーティストのパフォーマンスを鑑賞することもできる。また、夜間にコンサートに行きづらかった未成年のファンも、ライブ鑑賞のチャンスが増大した。

こうした特性は、アーティスト側にも大きなメリットがある。新たなファンの獲得はもちろん、ECサイトをリンクさせてグッズの販売も容易。チケットとグッズのセット販売なども可能だ。

おすすめオンラインライブ9選

有料オンラインライブの先駆け! 業界No.1のコンテンツ量
「ZAIKO」

https://zaiko.io/

2019年の1月にスタートした有料オンラインライブサービスのZAIKO(ザイコ)。コロナの流行が始まった昨年3月にceroが行ったオンラインライブが大成功を収め、それ以降も星野源Ásgeirなどのライブを行っており、コンサート数はこれまでに5000本以上とオンラインライブ業界ではNo.1だ。Twitterと連携したコメント機能や投げ銭制度でオンラインライブならではの楽しみが味わえる。チケット販売においてはローチケと連携しているのも特徴的だ。

・運営:ZAIKO株式会社
・配信プラットフォーム:独自プラットフォーム
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:◯(ChromecastやApple TVを使用)
・投げ銭:◯
・最大音質:192kbps


アーティストのオリジナル色を反映&ストリーミングの安定性が強み
「Stagecrowd」

https://stagecrowd.live

2020年の6月よりサービスをスタートさせたStagecrowd(ステージクラウド)。第一弾アーティストとしてSUPER BEAVERが行ったライブではそのストリーミングの安定性で信頼度がアップした。Stagecrowdは自社のメディア色を前面に押し出すのではなく、アーティストごとに独自のオリジナル色を打ち出しているのが特徴的だ。さらに、配信プラットフォームには同時配信の人数制限がなく、高画質、高音質で安定感のあるBrightcove社を起用しており、サーバー落ちなどの心配が少ない。

・運営:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ
・配信プラットフォーム:Brightcove
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:×
・投げ銭:◯
・最大音質:非公開


チケット販売とライブストリーミングが同一サービスで完結
「Streaming+」

https://eplus.jp/sf/streamingplus

イープラスが2020年の5月に開始させたオンラインライブサービスのStreaming+(ストリーミングプラス)。その特徴は何と言ってもチケット販売大手のイープラスが手がけているところにある。これまでの生のコンサートと同じように、イープラスで購入したチケットを利用してそのまま同じサービス上でライブストリーミングの鑑賞が可能。さらにイープラスのオフィシャルグッズ販売サービスであるe+ SHOPと連携し、視聴ページからグッズ購入を行うこともできる。

・運営:株式会社イープラス
・配信プラットフォーム:Vimeo、MUSIC/SLASH
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:×
・投げ銭:×
・最大音質:192kbps(Vimeo利用時)


大手チケット販売 ぴあが手がけるオンラインライブサービス
「PIA LIVE STREAM」

https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/

チケット販売大手のぴあが2020年5月に開始させたオンラインライブサービスPIA LIVE STREAM(ぴあライブストリーム)。Streaming+同様、チケット販売の大手会社が手がけていることから、チケット販売とライブストリーミングを同じサービスで完結することが可能になっている。開始2カ月ほどでコンサート数は100本以上にのぼり、現在でも多くのコンテンツを配信している。ChromecastやApple TVを利用することでテレビの大画面でライブストリーミングを楽しむことも可能。

・運営:ぴあ株式会社
・配信プラットフォーム:ULIZA、Vimeo、LIVEWIRE、Jストリーム
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:◯(ChromecastやApple TVを使用)
・投げ銭:×
・最大音質:非公開


LINEの強みを活かしたSNS型のライブサービス
「LINE LIVE-VIEWING」

https://viewing.live.line.me/

コロナ流行以前にもLINE LIVEという形で無料のライブ配信サービスを行っていたLINEが、2020年8月に始めた有料チケット型のライブ配信サービスであるLINE LIVE-VIEWING。これまで築いてきたLINEというSNSの強みを生かしたサービスが特徴的で、チケットの検索・購入、ライブ情報の取得、ライブ視聴、ライブ後のコミュニケーションなどを全てLINEのサービス上で行うことができる。他にも有料で歓声などの音声アイテムを送れるなど、アーティストや他のファンとのつながりを意識したサービスだ。

・運営:LINE株式会社
・配信プラットフォーム:LINE LIVEアプリ
・チャット、コメント機能:◯
・テレビへの接続:×
・投げ銭:◯
・最大音質:192kbps


ビデオチャットで友達と一緒に楽しめる
Thumva

https://thumva.com/

Thumva(サムバ)は2020年6月よりスタートしたサービス。他のサービスと同様にチャット機能や投げ銭制度を備えている。なかでも大きな特徴は、視聴者がグループビデオチャット機能を使用して複数人でコンサート鑑賞を行えることだ。グループコードを送信することで、生のコンサートに友人と行くような感覚で一緒にライブ体験を味わうことができる。また、コンサートによってはSwipe Videoというマルチアングルのサービスと連携し、自分の好きな視点に切り替えながらコンサートを見ることができる。

・運営:株式会社フェイス
・配信プラットフォーム:独自プラットフォーム
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:×
・投げ銭:◯
・最大音質:192kbps


機能をそぎ落として高音質でのコンサート鑑賞に特化
「MUSIC/SLASH」

https://musicslash.jp/

2020年5月にスタートしたMUSIC/SLASH(ミュージック・スラッシュ)。独自の配信プラットフォームで最大音質AAC-LC 384kbpsに対応し、とにかく高品質なコンサート鑑賞が楽しめるのが特徴。他の配信サービスではチャット機能や、アーティストへの投げ銭制度を導入しているものも多いが、MUSIC/SLASHではそういった機能も排除し、視聴者は純粋にコンサートの鑑賞だけを楽しむことができる。Streaming+のハイエンド配信に採用されるなど、配信プラットフォームとしての役割も果たしている。山下達郎がライブ配信を行ったことで大きな話題になった。

・運営:株式会社SPOON
・配信プラットフォーム:独自プラットフォーム
・チャット/コメント機能:×
・テレビへの接続:◯(デジタル出力およびHDCP対応の外部機器、テレビ・変換アダプタ・HDMIケーブル・DVI端子など)を利用で視聴が可能。
・投げ銭:×
・最大音質:384kbps


TIGやマルチアングルなどオンラインならではの楽しみ方が満載
「新体感ライブ CONNECT」

https://shintaikan.live/

NTTドコモが提供するオンラインライブサービス、新体感ライブ CONNECT。NTTドコモの先進技術をいかし、オンラインライブでしか味わえない機能が多く備わっている。他のサービスにもあるようなコメント機能はもちろんのこと、ライブ視聴中に気になる箇所に触ると、情報が確認できるTIGと呼ばれる機能や、好きな視点からコンサートを鑑賞できるマルチアングル機能、さらには8KVRライブなどにも対応し、まさに今までになかった新しい体感を提供している。

・運営:株式会社NTTドコモ
・配信プラットフォーム:独自プラットフォーム
・チャット/コメント機能:◯
・テレビへの接続:◯(クロームキャストやApple TVを使用で可能)
・投げ銭:×
・最大音質:非公開


ABEMAが手がける次世代のオンラインライブサービス
「ABEMA PPV ONLINE LIVE」

https://abema-ppv-onlinelive.abema.tv/

これまでABEMA TVという形で新しいオンライン配信サービスを行ってきたABEMA(アベマ)が2020年6月に開始した有料オンラインライブ配信サービスABEMA PPV ONLINE LIVE。コメント機能やアーカイブ機能、投げ銭制度など、基本的な有料オンラインライブの機能を備えるのに加え、3DCGを使用したライブ演出や、ABEMAプレミアム会員限定のライブコンテンツを配信するなど、独自のサービスを提供している。さらに今後は、マルチアングル機能や、投票機能などの追加も予定。・運営:株式会社AbemaTV

・配信プラットフォーム:独自プラットフォーム
・チャット、コメント機能:◯
・テレビへの接続:◯(クロームキャストやApple TVを使用で可能)
・投げ銭:◯
・最大音質:非公開


今回紹介したほとんどのサービスは新型コロナウイルスの流行をきっかけに2020年にスタートした。ちなみに、かつてミュージシャンのたちの活動は、以下の3つが主流だった。

①テレビやラジオ、紙媒体によるプロモーション
②CDを主体とした音楽ソフト販売
③コンサート興行

ところが近年は、①が「ウェブ媒体やSNS」に変わり、②もSpotifyなどの「サブスクリプション方式」に移行。③が唯一のアナログ方式を堅持していたが、このコロナ禍でついに「オンラインの有料コンサート」というニーズが発生したわけだ。

もちろん、アナログレコードがいまも “優れた音楽ソフト”として愛されるのと同様に、生のコンサートやライブは何物にも替えがたい価値がある。その一方で、オンラインでのコンサートは “もうひとつのライブ体験”として、当たり前の選択肢になるだろう。今後ますますサービスも拡充し、音楽だけでなく、スポーツや演劇、トークイベントやファッションショーなど、さまざまな催しを通して認知されていくはずだ。