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写真は受賞セレモニー時のロバート・グラスパー。 ミシェル・ンデゲオチェロとH.E.R.をフィーチャーした楽曲「Better Than I Imagined」で、Best R&B Song(最優秀R&Bソング賞)を獲得した。
2021年(第63回)グラミー賞の受賞作が発表された。その中からジャズ・カテゴリー(5部門)と、ジャズ系ミュージシャンの受賞作品をピックアップ。部門ごとに試聴リンクつきで紹介しよう。
ちなみに今回、ジャズ部門の中でもっとも歴史が古く、権威ある「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」を、チック・コリア『TRILOGY 2』が受賞。また、同アルバムの収録曲「ALL BLUES」は、「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」も獲得。2冠を得た故チック・コリア(2021年2月9日に死去)の代理を、妻で音楽家としても知られるゲイル・モランがつとめた。
「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」受賞作品
ボーカルを使わず、楽器演奏(インストゥルメンタル)で構成されたジャズのアルバムが対象。原則として、新録されたインストゥルメンタル演奏の割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。ジャズ部門の中でもっとも歴史が古く、権威ある賞。現在のところ最多受賞者はチック・コリア。
『TRILOGY 2』
チック・コリア/クリスチャン・マクブライド/ブライアン・ブレイド
「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」受賞作品
ボーカル楽曲をメインにして作られたジャズ・アルバムが対象。原則として、新録されたボーカルの割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。
『SECRETS ARE THE BEST STORIES』
カート・エリング(Kurt Elling Featuring Danilo Pérez)
「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」受賞作品
優れた即興演奏やソロ・パフォーマンスを讃える賞。アルバムではなく、楽曲(と演奏者)が対象。アドリブ演奏を重視するジャズならではの部門。
◆対象曲:「ALL BLUES」
◆ソリスト:チック・コリア
◆収録アルバム:『Trilogy 2』Chick Corea, Christian McBride & Brian Blade
「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」受賞作品
大編成のジャズ楽団による重奏(=ラージ・アンサンブル)作品を対象にした部門。楽団名義の作品や、コンポーザーの個人名義作などさまざま。
『DATA LORDS』
マリア・シュイナイダー(Maria Schneider Orchestra)
「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」受賞作品
南米音楽の要素を加味したジャズ作品(ボーカル/インストゥルメンタル問わず)が対象。これまでに、サルサやキューバ音楽をはじめ、アルゼンチンタンゴ、ブラジル音楽なども選出されている。今回、日本の「ブルーノート東京」でライブ録音されたアルバムもノミネートされた。
『FOUR QUESTIONS』
アルトゥーロ・オファリル・アフロ・ラテン・ジャズオーケストラ
“ジャズ部門” 以外でもジャズ系ミュージシャンが受賞
今回、ジャズ部門以外でもジャズファンにお馴染みのミュージシャンが登場。まずは「ベスト・コンテンポラリー・インストルメンタル・アルバム」をスナーキー・パピー『Live at the Royal Albert Hall』が奪取。本作には日本人ドラマー、パーカッショニストの小川慶太が参加している。
また、「ベスト R&B ソング」に、ロバート・グラスパー featuring H.E.R. &ミシェル・ンデゲオチェロ 「Better Than I Imagined」が選出された。
「ベスト・コンテンポラリー・インストルメンタル・アルバム」受賞作品
『Live at the Royal Albert Hall』
スナーキー・パピー
「ベスト R&B ソング」受賞作品
「Better Than I Imagined」
ロバート・グラスパー featuring H.E.R. &ミシェル・ンデゲオチェロ
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