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佐々木俊尚
作家 / ジャーナリスト
テクノロジから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く発信している。「時間とテクノロジー」「そして、暮らしは共同体になる。」「キュレーションの時代」など著書多数。東京・長野・福井の三拠点移動生活者。2022年1月に新刊「読む力」を刊行。
安藤裕子
『Kongtong Recordings』
前作の『Barometz』も素晴らしかったけれど、それ以上に本作は傑作だと感じた。成熟した大人の女性がドリーミーな少女時代を回想する、そんな空気感がアルバム全体をゆったりと覆っている。ところがしめくくりに近づくにつれてだんだんと空気が張り詰め、最後はアニメ『進撃の巨人』のエンディング曲「衝撃」で終わるという、まさに衝撃的な展開にノックアウトされた。
Siip
『Siip』
今年もっともスリリングだったSiip(シープ)のファーストアルバム。作詞・作曲とボーカル、演奏、編曲などをすべて自分で手がけているとされるが、プロフィールはいっさい公開されていない。公式サイトには、Siipは特定のイメージを持たない、つかみどころのない幻(ファントム)の表現者である」と英語で書かれている。まるで壮大な神話を読んでいるような、宗教的な神々しさをまとった音楽。
スカートとPUNPEE
「ODDTAXI」
タクシードライバーを主人公にした同タイトルのアニメのオープニング曲。むなしい承認欲求にからめとられた人たちに自助をうながすこの作品は、2021年を象徴する物語だった。「揺れてこぼれ落ちて 綻びは連なって まるで袋小路じゃないか」とうたうこの曲は、2021年の日本の都市の風景をみごとに映し出した曲として記憶されていくだろうと思う。
―佐々木俊尚さんからのお知らせ―
『脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!
現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』
著/文・佐々木俊尚
東洋経済新報社より、2022年1月28日発売予定。定価1600円+税。