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青野賢一
ライター / 選曲家 / DJ
1968年東京生まれ。株式会社ビームスにてプレス、クリエイティブディレクターや音楽部門〈BEAMS RECORDS〉のディレクターなどを務め、2021年10月に退社、独立。フリーランスとして執筆、DJ、選曲をはじめさまざまな活動を行なっている。USENの店舗向けBGM配信アプリ「OTORAKU」にキュレーターとして参画し、プレイリストを定期的に公開中。ウェブマガジン「JBpress autograph」などに連載を持つ。
Kit Sebastian
『Melodi』
2019年のデビュー・アルバムが非常に好みだったロンドンのデュオ、キット・セバスチャン。今年リリースされた2ndアルバムも期待に違わずよい内容だった。ステレオラブやブロードキャストを彷彿させるサウンドに彼ら独特のオリエンタルなムードを注入しつつ、なぜかフレンチな匂いもある極上オルタナ・ポピュラーミュージックだ。
Floating Points, Pharoah Sanders & The London Symphony Orchestra
『Promises』
詩情豊かでスケールの大きな音に心奪われ、何度も聴き入ってしまう作品。繊細さとダイナミズムを備えたオーケストラ、抑制と爆発のバランスも絶妙なファラオ・サンダースのサックス、そして両者の間を縫うように顔を覗かせるフローティング・ポインツによる鍵盤やエレクトロニクスが織りなす音楽のタペストリーとでもいうべき傑作である。
arauchi yu
『Sisei』
ceroの鍵盤奏者でありコンポーザー、荒内佑のソロ・アルバム。マイケル・ナイマンを想起させるミニマル・ミュージック的要素にジャズの響きをあしらい……などと書くと小難しい内容に思われそうだが、そこに穏やかな印象のボーカルやサンプリングを配することでポピュラー・ミュージックとして成立させているのはお見事。アナログ盤を熱望。