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高橋 悠(KAKULULU店主)が選ぶ「2021年のベスト」3作品

高橋 悠
KAKULULU 店主
1985年 西ドイツ・ボン生まれ。文化学院卒業後、カフェなど飲食店に働きながら、企業などのプロモーション用音源を制作するミュージック・クリエイトの仕事をフリーランスとして始める。2013年、自身の表現の場を持つことを考え始め、長年の夢であったカフェを始めることを決意。築45年の建物をリノベートし、2014年5月東池袋に「KAKULULU」を開店。21年、豊島区最大規模のホールで周年イベント「Visca IKEBUKURO」をプロデュースする。
http://kakululu.com

Common
『A Beautiful Revolution (Pt 2)』

オーガスト・グリーンなどコモンのこの10年かけてきた生楽器との融合がついに実を結んだ! 『The Electric Circus』や『Be』の時期など第二期黄金期を彷彿させながら、新たにローカルの仲間を引き連れて、様々な社会問題へ切り込み最後は「愛の宣教師」まで到達。ラファエル・サディークの登場や、シェウン・クティなど『Like Water For Chocolate』時代のセルフ・オマージュを感じさせてくれる懐かしさと嬉しさに悶える名盤。


Caetano Veloso
『MEU COCO』

カエターノ・ヴェローゾの約9年ぶりとなる新作。この9年間でジョアン・ジルベルトが亡くなり、ブラジルはかつての軍事独裁政権を擁護する大統領になってしまった。しかし、そこはオリジネーター。新しい「トロピカリア」。自身のキャリアを最大限に上書きする作品が78歳から届けられました。16年の来日公演を見た時「声とギター」になり、余生を静かに過ごす(失礼)と思っていたら野心家な新たな姿が見れて、パンデミック禍のレベル・ミュージックに相当ヤラれてしまった。


Pino Palladino & Blake Mills
『Notes With Attachments』

ピノ・パラディーノ、キャリア47年目の初のオリジナル・アルバム。紐解くとディアンジェロ『Voodoo』のリズム解体新書のようにも聞こえてくる。細分化されたリズムとベースを追いかけていくと、ずるずるレイドバックしていき音楽に対して「酔い」みたいな感覚に。サム・ゲンデルの装飾的なサックスがよりこのアルバムを麻薬的に仕立てる。共作名義となったブレイク・ミルズという存在がピノとのセッションを引き出し、それをアルバムとして形に残した事が大きいかと。でなければ、48年目も個人名義のアルバムが出ていなかったように思える。

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