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今年もライヴ・ミュージックがほぼ無理な一年になりましたが、その欲求不満は次々と公開された優れた音楽関係の映画のお陰でかなり緩和されました。ぼくがいちばん気に入った3作を紹介します。
ピーター・バラカン
1951年8月20日ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科卒業後、74年に来日。シンコー・ミュージック国際部入社、著作権関係の仕事に従事する。80年、同退社後、執筆活動やラジオ番組への出演などを開始。また80年から86年までイエロー・マジック・オーケストラ、のちに個々のメンバーの海外コーディネーションを担当。84年、TBS-TVのミュージック・ヴィデオ番組『ザ・ポッパーズMTV』の司会を担当。88年、TBS-TV『CBSドキュメント』の司会を担当。2010年、TBS系列のニュース専門チャンネル『ニュースバード』に移籍し、番組名も『CBS 60ミニッツ』に変更。2014年3月まで司会を務める。現在も放送番組の制作、出演のほか、執筆や音楽フェスティバルの監修なども手がける。
http://peterbarakan.net/
American Utopia
デイヴィッド・バーンがブロードウェイでやっていたショウをスパイク・リーが映画化したこれは音楽的にも映像的にも素晴らしく、技術面でも、真っ暗なトランプ政権の中でユーモアを持ってもっと人間らしい世の中を提示するメッセージの面でも感心する作品です。日本で洋楽を聞く層がどんどん減るこの時期にデイヴィッド・バーンの名前すら知らない若い人が大勢この映画を見たのもとても興味深い現象でした。(ブルー・レイ発売中)
Amazing Grace
アリーサ・フランクリンが1972年にLAの教会で行ったゴスペルのコンサートは彼女の長いキャリアの中で意外にも最高の売り上げを誇るアルバムとなりました。その映像の記録は残念ながら当時発表されないままになっていましたが、アリーサが2018年に亡くなった後にようやく公開され、最も脂が乗っていた時期の彼女が歌う姿を見ると思わず涙が出てきます。(DVD発売中)
Summer Of Soul
1969年の夏、ウッドストック・フェスティヴァルの約2ヶ月前に、ニューヨークのハーレムの公園で開催されたブラック・カルチャーのフェスティヴァル。ソウル、ブルーズ、ジャズ、ゴスペル、ラテンの各ジャンルを代表するアーティストたちの演奏の合間に、当時のアメリカが抱えていた人種問題のニュース映像、そして若者としてこの素晴らしいライヴを見た人たちがその様子を50年ぶりに見て振り返る話にもちょっと感動します。こんなすごい記録が半世紀もの間倉庫に眠っていたなんて信じがたい話です。(Disney+で配信中)