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大和田俊之(慶應義塾大学教授)が選ぶ「2021年のベスト」3作品

大和田俊之

大和田俊之
慶應義塾大学教授(ポピュラー音楽研究)
専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽研究。『アメリカ音楽史』(講談社)で第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。新著『アメリカ音楽の新しい地図』を筑摩書房より刊行。他に編著『ポップ・ミュージックを語る10の視点』、長谷川町蔵との共著『文化系のためのヒップホップ入門1、2、3』(アルテスパブリッシング)、また雑誌『BRUTUS』の特集「山下達郎のBRUTUS SONGBOOK」ではラジオの書き起こしの解説を担当した。

Tyler, the Creator
『Call Me If You Get Lost』

西海岸のヒップホップクルー、オッド・フューチャー出身のラッパー、プロデューサーの6枚目。昨年のグラミー賞で本人が「黒人音楽」という枠組みに不満を表明したように、サンプリング、ラップ、寸劇、歌唱を自在に駆使したアルバムは、もはや「ヒップホップ」というジャンルを超えた独自のスタイルを確立している。


L’Rain
『Fatigue』

個人的に今年もっとも感銘を受けた作品。ブルックリン出身のエキスペリメンタル・アーティストの2枚目。実験的な作品だが、フィールド録音を含めてあらゆるジャンル/テキストを横断しながら、ときにエモーショナルな崇高さに触れつつ驚くべき音楽性を湛えるアルバムに仕上がっている。


Faye Webster
『I Know I’m Funny haha』

アトランタ出身のシンガーソングライターの4枚目。ペダルスチールの心地よい響きと、笑っているようにも泣いているようにも聞こえる歌声が印象的。随所にR&Bやヒップホップの影響も垣間見える。「Overslept」ではカクバリズム所属のmei eharaとのコラボレーションが実現。

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