投稿日 : 2022.08.05
都内初公開『マイ・シークレット・ワールド』─英国の伝説的レーベルを描くドキュメンタリー映画
英国サウスウェストの湾岸都市ブリストルを拠点に1987年から1995年まで活動していた伝説的レーベル「サラ・レコーズ」を描いたドキュメンタリー映画 『マイ・シークレット・ワールド』が、東京シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)にて2022年8月13日(土)・14日(日)の2日間限定で上映される。
「サラ・レコーズ」は、ジン(個人で制作する冊子)を通して繋がりプライマル・スクリームのライブ会場で出会ったクレア・ワッドとマット・ヘインズの二人によって創設されたインディペンデント・レーベル。ファンとアーティストを繋ぐための独自の取り組みや、オリジナリティあふれるジンをレコードに封入するなど DIYを思わせるユニークな運営・広報によって当時一大シーンを作り、のちのアーティストやレーベルにも大きな影響を及ぼした伝説的レーベルだ。
「ヘブンリー」や「ザ・ドラムス」、「ザ・シー・アーチンズ」、「ザ・オーキッズ」、そして曽我部恵一率いるバンド「サニー・デ イ・サービス」の由来となった「アナザー・サニー・デイ」など、のちに「フリッパーズ・ギター」等に多大な影響を与えることになる、ネオ・アコースティック/インディーポップのバンドが多数所属していたサラ・レコーズ。本作は、創設者の二人や所属していたミュージシャン、ファンや関係者へのインタビューを通じて、サラ・レコーズの8年間の軌跡とその魅力に迫るドキュメンタリーだ。
本作の企画・配給は、関西のミニシアター・シーンを盛り上げるために学生を中心に有志で設立された映画チア部大阪支部によるもの。関西の映画宣伝活動のほか、自社配給・上映会を行なってきた中で、『マイ・シークレット・ワールド』は昨年大阪シネ・ ヌーヴォでのみ上映され、今回は都内で初上映となる。
この都内初公開に寄せて、ミュージシャンのカジヒデキ、鍵盤弾きの堀江博久、Homecomingsの福富優樹らからはコメントが到着。上映日は両日ともゲストによるトークショーを予定している。8月13日 (土)には、me and youの竹中万季、8月14日(日)には鍵盤弾きの堀江博久が登壇するという。
マンチェ、シューゲイザー、インディーダンス、グランジ、そしてブリットポップ! あのマッチョな荒波の時代を、DIY の強い信念とプライドを高く持って、果敢に闘い泳ぎ続けたサラ・レコ ードのクレアとマットを誇りに思います!!
サラが存在した 8 年間、僕自身は彼らを崇拝したり、少し距離をおいたり色々ありましたが、この作品を観 てすべてを愛おしく感じることが出来ました。 もっと高い評価を得るべき素晴らしいレーベルだったと、深く感じています。――カジヒデキ(ミュージシャン)
僕たちが Homecomings をはじめた頃、ライブハウスや遊びに行ったイベントで知り合った人はみんな口々 に sarah record の 7inch のことについて話していました。クラブイベントとはまた違う DJ や、物販のテー ブルに並ぶ zine に缶バッチ、会場に飾り付けられた風船、The Pains Of Being Pure At Heart、Wallf lower、Fandaze。ギターポップやネオアコのキラキラしたアルペジオは僕にとって、そして Homecomings にとって原点でもあり、ちょっとした青春の 1 ページなのです。元気にしていますか? こ の映画を通じて、久しぶりにみんなとおしゃべりできたような、そんな気持ちにもなってしまったのでし た。
僕が一番好きなのは 58 番、The Hit Parade の”In Gunnersbury Park”。京都のアート・ロック No1 とい うレコード屋さんで見つけたとき、本当に嬉しかったです。――福富優樹(Homecomings)
ぼくはクレアさんと同じ世代です。
20 代の時、サラ・レコーズのようなクルーエルやエスカレーター・レコーズといった、インディのレコード レーベルで演奏したり、曲を書き作品をリリースしたりしました。この時の自分の出した音やメロディに、 周りのみんながいいねって興味を持ってくれたことが、今自分が歩んでいる道につながっていきます。『マ イ・シークレット・ワールド』を観て、この瞬間しかない閃きは、ほんと一瞬で終わります。大事にしてい きたいです。――堀江博久(鍵盤弾き)
マイ・シークレット・ワールド
[監督・製作] ルーシー・ドーキンズ
[出演] クレア・ワッド、マット・ヘインズ、アメリア・フレッチャー、ジェイコブ・グラハム、カルビン・ジョンソン、エヴェレット・トゥルー
2014年 / イギリス=オーストラリア / カラー /英語 /102 分
原題:My Secret World: The Story of Sarah Records
日本語字幕:森彩子
企画・配給・宣伝: 映画チア部大阪支部
協力: Gucchi’s Free School、シネ・ヌーヴォ、出町座