投稿日 : 2022.12.29

高橋 悠(KAKULULU店主)が選ぶ「2022年のベスト」3作品

KAKULULU高橋悠

【特集】あの人が選んだ「2022年のベスト3」
高橋 悠
KAKULULU 店主
85年生まれ築45年の建物をリノベートし、2014年5月東池袋に「KAKULULU」を開店。2021年、音楽ライブ「Visca IKEBUKURO」をプロデュースする。

Ryo Sugimoto
『fragments』

Ryo Sugimoto 『fragments』

コロナ禍により「環境音楽/アンビエント」がこれほど生活に身を寄せる時代はないと思う。「aqubi」のピアニスト、杉本亮の初ソロ作品「fragments」はアンビエントであり、ポスト・クラシカルを経由した美しいピアノ・ソロアルバム。ヘッドホンで聞くのでなく、あえてスピーカーで日常の騒音と混ぜて聞きたい一枚。


Kendrick Lamar
『Mr. Morale & The Big Steppers』

Kendrick Lamar 『Mr. Morale & The Big Steppers』

一聴した瞬間に思い浮かんだ言葉が「王の帰還」。ダイヤモンドの茨の冠をつけた王は「奇妙なジュエリーを捨てろ!」と叫んだりと、大いなる矛盾が同居する問題作。サウンド面ではデュヴァル・ティモシーの存在感が大きく、既発曲にビートレスなピアノ曲など作品全体としてUKな香りもしてくる。


Jasmine Myra
『Horizons』

Jasmine Myra 『Horizons』

リーズを拠点に活動するサックス/フルート奏者/作曲家、ジャスミン・マイラのデビュー作。ストリングス・カルテットとサックス/フルートが反復するメロディーがとっても可愛らしく、小躍りしたくなる名作。マシュー・ハルセルのプロデュースというのも深く頷ける。23年はこの若き才能の来日公演を実現してもらいたい。