東京「ミュージック・バー＆カフェ」ガイド ─極上の “音楽と酒と肴” を満喫できる24店【いつか常連になりたいお店／総集編】

「いつか常連になりたいお店」総集編

① 時空を超えるトリップ体験

刺激的な音響とともに、什器やインテリアでも非日常を味わえるミュージックバー＆カフェを４選。

NO ROOM FOR SQUARES〈下北沢〉

秘密の扉を開けると “潜り酒場” が…。禁酒法時代のアメリカにインスピレーションを受けた店づくり。隠れて飲む緊張と愉快、そして無骨な内装と柔和な応接にも心が和む。ドリンクのメニュー表は置かれず、好みの味や品目をバーテンダーにオーダーする（ビール￥900～／カクテル￥1000～／ウイスキー￥900～）。定番のバーフードに加え、イタリアンをベースにした軽食も。喫茶営業やジャズライブなども定期的に実施。

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ロックバー叫び〈鶯谷〉

８席で営業する小さなカウンターバー。同店SNSのプロフィールには「音楽を“聴く” から “体験する”にアップデートする最高のサウンドシステムを鳴らすロックバー」とある。したがって店主はバーテンダーでありDJとしても立ち回り、また音楽ライブにおけるPAのような役も担っている。ジャズやロックを中心に多彩な音楽が飛びかう、ライブ会場と酒場が融和した不思議空間。

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ROUTE 1〈池尻大橋〉

ウッドとアイアンを基調にした、力強くヴィンテージな雰囲気の空間。そこに真空管アンプで鳴らすアナログレコードの音が心地よく響く。古いジャズやロックから近年のポップミュージックまで、ジャンルを問わず幅広く選曲。国内外のウイスキーを豊富に揃え、腕の良いバーテンダーが最高のカクテルを編み出してくれる。10名程度が入れる個室も備えている。

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ROALEANS COFFEE ＆ BAR〈大森〉

1920年代のアメリカを彷彿とさせるアンティークな品々と、蓄音機やヴィンテージオーディオが奏でるノスタルジックな音楽に包まれる。アーリーなニューオーリンズ・ジャズのSP盤から、モダンジャズのLP盤、デジタル音源まで幅広く再生される。昼間はカフェとして、夜間はカフェ＆バーとして営業。自家製のスイーツも好評。

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② ワインも充実のミュージックバー

ハードリカーやカクテルはもちろん、ワインへのこだわりも際立つミュージックバーを４選。

STUDIO MULE〈渋谷〉

音楽レーベルのMULE MUSIQ（ミュール・ミュージック）と連携したバー。同レーベルのA&Rとして、またDJとしても国際的に活躍する Toshiya Kawasaki氏のセンスが集束。エキセントリックかつエレガントな選曲、厳選された自然派ワイン、インテリアにいたるまで、オーナーの美意識ともてなしの心が行き渡る。オーガニックなメスカル（メキシコ特産の蒸留酒）をはじめジンやバーボンなどのハードリカー類も気の利いたセレクト。

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epulor〈中目黒〉

コンクリートを基調とした無機質な内装に、コの字のカウンターと大きめの長テーブルを備えたミニマムな空間。昼はカフェ、夜はワインバー。どちらにもアナログレコードの音が心地よく寄り添う。ジャズ、ロック、テクノとジャンルを横断しながら、いずれも浮遊感やアンビエントな風味が共通した楽曲群。精緻な音と、コーヒー、ワインを楽しめるギャラリーのような空間を意識したという、オルタナティブで清新なワインバー。

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MAKANI〈新宿〉

カウンター６席、テーブル６席のコンパクトなつくり。カウンターの美しい一枚板が印象的な、シックで落ち着いた空間。「一般的なミュージックバーはハードリカーが中心ですが、うちではワインを１本ゆっくり開けながら、いろんな音楽をアナログ盤で味わってほしい」（オーナー談）。ミュージック・セレクターが常駐し、ジャズやソウル、R&Bを基調にした選曲で彩る。

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BAR BOSSA〈渋谷〉

ボサノヴァとワインの店として1997年オープン。以来、居心地の良い渋谷の銘店として多くの人に愛されて続けている。ワインはフランス産が中心（グラスワインで800〜900円ほど）で、ワインに合うおつまみや軽食、伝統的なブラジル料理など、おいしい手料理も魅力。ブランデーやラム、ピンガ（ブラジルの蒸留酒）、季節の果物を使ったカクテルも評判が高い。ちなみに “お一人での来店はお断り” しているので２名以上で。

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③ 日本の「喫茶と音楽」文化に浸る

日本独特の「喫茶＋音楽鑑賞」文化は、洗練と多様化をかさねて新たなフェーズへ…。おすすめの４店舗。

CAFE INCUS〈上野〉

店主は「うちはジャズ喫茶ではないので、そう思って来られるとがっかりされると思いますよ。あくまでも自家焙煎珈琲の喫茶店ですから」と語るが、コーヒーと音楽に対するこだわりが美しくブレンドされた一店。欧州のフリージャズを中心に1500枚ほどのアナログ盤が置かれ、状況に応じた音量と選曲でプレイされる。平日は朝７時に開店。コーヒーはテイクアウトも可。

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On a slow boat to…〈神保町〉

さまざまなスタイルのジャズや70〜80年代のロック、ポップス、日本の歌謡曲まで多種多様な楽曲が流れる。土曜日にはライブが催されることも。自家焙煎の珈琲のほか、和紅茶（日本で作られている紅茶）や自家製のスコーンにチーズケーキ。スパイスから調合した自家製カレーや、馬場FLATの角食パンを使ったバタートーストなど軽食も美味。

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rompercicci〈中野〉

カウンター４席、テーブル16席。店内はウッド調のシンプルな内装で、窓から入る自然光が気持ちいい空間。本棚にはジャズ関連の本からマンガまで幅広くあり、手に取りやすいのも嬉しい。モダンジャズを中心に、大きめの音で再生される “ジャズ喫茶” 的スタイルだが、気軽に立ち寄れるカジュアルさも魅力。ワインをはじめとするアルコール類や、軽食も人気だ。

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JAZZ UNION〈原宿〉

豊富な音源とハイエンドな音響システムが魅力のジャズ喫茶。店主が所有する10万枚以上のLPやCDコレクションの中から、日々、店舗用にセレクトされ、新譜のストックも豊富。メインで使用される機器はJBLのオリンパス（スピーカー）に、マッキントッシュの真空管アンプ275。真空管はすべてヴィンテージ管が使われている。ほか、多種の高級オーディオが使用され、徹底的に音を追求。

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④ フードメニューも魅力的

サウンドシステムやドリンク類だけでなく、食事のメニューも魅力的なミュージック・バーを４選。

青ちょうちん〈恵比寿〉

おでんを中心とした和の軽食が人気の日本酒バー。店主は白金高輪の割烹『あき山』（ミシュラン・ガイドで星を獲るほどの人気店）も営む匠。おでんとの相性を考慮しながら日本各地の酒を選出し、希少銘柄のストックも。また、店内には1930年代に製造されたシアター仕様の巨大スピーカー（ウエスタンエレクトリックの16Aホーン）が鎮座し、アンプ、ウーファー、レシーバーもあわせて純正システムで鳴らされる。酒肴の美味もさることながら音響体験も衝撃的。

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HAMACHO DINING&BAR SESSiON〈日本橋〉

ふんだんな自然光と優艶で暖かい雰囲気に包まれたダイニング・バー。フレンチをベースにした多彩なメニューは、肩肘を張らずに楽しめる “ダイニング（食堂）仕様。ブルーノート・ジャパンの系列店ということもあり、選曲も同社がプレイリストを作成し、時間帯や天気などを鑑みながら流している。テーブル席、ソファ席、バーカウンター席と、目的や人数に応じて使い分けられるのも魅力。

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Le Corbeau〈田町〉

フランスの家庭料理をベースにしたビストロ＆バー。食材のみならず出汁の追求度も高く、一見シンプルなメニューにも相当な手間隙がかけられている。ビールやワイン、シングルモルトもそれぞれ100種以上を取り揃え、カクテルのオーダーもフレキシブル。音楽の自由度も高く、新旧あわせた多彩なジャンルのアナログレコードが優麗に鳴り響く。酒と料理と音楽とインテリア。すべてに店主の旺盛な好奇心と探究心が反映された味処。

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BAROOM〈南青山〉

ミュージックバーとレストラン、さらに中規模ホールまで備えた、大人のカルチャー発信基地。バーとレストランを挟んだエリアにはレコード・ライブラリーが設けられ、日本コロムビアの史料音源を大量にストック。これをベースにジャズやフュージョン、ソウル、ラテン音楽、歌謡曲にいたるまで幅広く選曲される。日によってさまざまなジャンルのDJやセレクターがプレイすることも。

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⑤ 渋谷でちょっと一杯…

日本屈指の繁華街には、至高のミュージックバーも数々。渋谷に来たらぜひ寄ってみたい店を４選。

THE MUSIC BAR -CAVE SHIBUYA-〈渋谷〉

店内はカウンター10席・テーブル50席。ミュージック・バーとしては国内最大級の規模。壁面はレンガやウッドを多用したインダストリアルなデザ、イン。重厚で厳かな姿容だが、営業中の雰囲気は朗らかで闊達。50年代のジャズから60～80年代のロック・ソウル、そして新譜まで幅広くアナログレコードでプレイされる。チーズや肉類など、素材のコンディションもこだわりを貫いた料理の数々、酒類の豊富さとルックスの良さも魅力。

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RECORD BAR analog〈渋谷〉

ほのかに昭和のスナックを思わせる内装。店内には、客が自由に閲覧できるレコードラックがあり、聴きたい盤をスタッフに渡すと適切なタイミングでかけてもらえる（ひとり１曲）。アルテックのスピーカーやアンプなどを採用し、他の音響機材も1960～70年代の機材で統一。アナログレコードとの相性を追求したセッティングになっている。外国人観光客にも人気の店。

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record bar 33 1/3rpm〈渋谷〉

「レコードの音と酒」を存分に楽しむ店。1960〜80年代のロックを中心に、ポップ、R&B、ソウル、ジャズ、映画音楽などがアナログのオリジナル盤でプレイされる。プロモーション盤などの希少プレスも多く取り揃え、モノラル再生にこだわっている点もユニーク。全席喫煙可。皆が楽しめる素敵な空間を維持するためのルール（公式サイト内に掲示）を要確認のこと。

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INC COCKTAILS〈渋谷〉

カウンター8席・テーブル30席のゆったり空間。50〜70年代のジャズ、ソウル、ラテン音楽、古いブルースから近年のR&Bなど “生楽器の演奏を堪能できる作品” を豊富に取り揃えている。店名にある通り、カクテルの種類も豊富でどれも個性的。看板メニューである「エスプレッソ・マティーニ」は上品なデザートのよう。

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⑥ 心地よい “ひとり” の時間

ぼんやりとゆったりと、独りの時間を過ごしたい。そんな気分にフィットするミュージックバー＆カフェを４選。

BAR ROTA〈恵比寿〉

店の “看板リカー”ともいえるのが、リンゴを原料にした蒸留酒カルバドス。常時、数十種が揃えられ風味の違いを楽しめる。内装もカルバドスの産地である仏ノルマンディ地方の建築をイメージ。店内でプレイされる音楽はジャズとクラシックがメイン。CDでしか発売されていない音源以外は、基本的にアナログレコードでかけている。

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月光茶房〈表参道〉

店主がハンドドリップで淹れるスペシャリティ・コーヒーは有名。また、ドイツの音楽レーベル〈ECMレコード〉のコレクターとしても知られ、店内には同レーベル作品はもちろん、新旧さまざまなジャズや現代音楽、実験音楽が流れる。2013年現在、営業日と営業時間は不定期となっており、おおよそ月に４回ペースで開店。

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Donato〈御茶ノ水〉

1985年創業の喫茶店を居抜きで受け継ぎ、2021年にジャズ喫茶としてスタート。店内は30席と広く、昭和の残り香が漂う内装にも心が安らぐ。しっかりとした音圧で大音量のジャズが流れるので、サウンドに没頭するも良し、ゆったりと読書を楽しむも良し。心静かにゆったりとした時間を過ごすには最適。

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家鴨社〈神楽坂〉

カウンター席のみのミュージック・バー。ジャズやロック、ソウル、日本のポップスなど、多彩なジャンルの音楽がアナログレコードでプレイされる。クリアで心地よい音質と音量、そして適度な明るさ。読書でもしながらのんびり飲むに最高の環境。

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※各店の営業時間や定休日は予告なく変更となる場合があります。来店の際は事前に各店舗の公式サイトやSNS等でご確認ください