高山 聡
Café GINGER.TOKYOオーナー/45rpm店主
清澄白河にあるカフェめし屋という場を利用し、レコード・書籍の販売やトーク・イヴェント等を介してローカル・カルチャーとサブカル近現代史の情報を発信している。また、文化センター講師、ラジオ・パーソナリティなど付随活動多数。
Joe Henry
『All The Eye Can See』
2023年の圧倒的ベスト。アメリカーナ、アーリー・アメリカン・フォーク・ミュージックのマイスターによる最新型。パフォーマーよりもプロデューサーとしての魅力が凌駕するものの、彼にしか成し得ないアウトプットがある。そもそも彼の声質がアーリー・アメリカン・テイストなのだ。この期に及んでカレン・ダルトンにまで言及する博識ぶり。タイトル・チューンはじめ必聴曲多数!
Brad Mehldau
『Your Mother Should Know』
横断歩道を勝手にビートルズのアイコンにしてしまったジャケット・デザインだけでも十分に面白い。現代のジャズ・ピアニスト代表によるビートルズ曲集だが選曲は渋い。美しいメロディの抽出能力が極めて高く、また細部に宿る知性も魅力。なぜかラストにデヴィッド・ボウイ「Life On Mars?」も収録。やることすべてが自由で遊び心がある。そこがまた魅力。
Pat Metheny
『Dream Bix』
大いなるマンネリだがBGMには最適。Ibanez PM-C (CC prototype)をはじめとしたエレクトリック・ギターの音色の美しさよ。CCはチャーリー・クリスチャン。静寂の中にC・クリスチャンの喧噪を求めるが見つからない。結局のところ美が溢れるいつもの音世界。よくぞこれだけ美しいメロディを紡ぎ出し続けられるものだと感心する。アナログ盤は恐ろしく低音成分が豊富。