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大和田俊之 が選ぶ「2023年のベスト」3作品

大和田俊之
慶應義塾大学教授
専門はポピュラー音楽研究。『アメリカ音楽史』(講談社)で第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)、『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房)で第34回ミュージック・ペンクラブ・ジャパン音楽賞ポピュラー部門著作出版物賞受賞。他に編著『ポップ・ミュージックを語る10の視点』、長谷川町蔵との共著『文化系のためのヒップホップ入門1、2、3』(アルテスパブリッシング)、また『山下達郎のBRUTUS SONGBOOK』では解説を担当した。

MIKE『Burning Desire』

いまやニューヨークのアンダーグラウンドシーンを代表する存在ともいえるラッパー/プロデューサーのアルバム。アール・スウェットシャートなどの影響を感じさせつつ、サンプルのサウンドを掻い潜るようにバリトンヴォイスが浮き沈みするフロウは唯一無二のサウンドスケープを構成する。


細井徳太郎『魚_魚』

ジャズ/即興の活動でも知られる細井徳太郎が仲間とともに作り上げたロック・アルバム。フォークロックからポップス、ノイズに至るまで、ミュージシャンシップに溢れるメンバーによるサウンドは、ちょっとしたピアノのフレーズやドラムのフィルにも音楽の豊かさとセンチメントに満ちている。発売記念ライブも最高でした。


DJ Quietstorm『K-POP Mix v.1』

今年、繰り返し聴いたのはこのミックス。NCT 127やEXOなどSMエンターテインメント勢、しかもデム・ジョインツによるプロデュース作品多めの選曲にまず痺れるが、それぞれの曲を解体、再構築しながら別の響きを引き出すかのような、鮮やか(かつ撹乱的)なつなぎを披露するDJ Quietstormの卓越したスキルに驚嘆。v.2を希望します。

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