アメリカにおいてジャズは、21世紀になってどのように変わり、そしてどのように変わらないのか……刊行と同時にすべての米国主要メディアから絶賛された名著『変わりゆくものを奏でる ─21世紀のジャズ』(ネイト・チネン 著、坂本麻里子 訳)が日本で2024年11月27日に発売。
元『ニューヨーク・タイムズ』紙のジャズ批評家でジャズ・ジャーナリスト協会選定の優秀執筆賞の13回受賞、アメリカ屈指のジャズ批評家である著者が、その博識と気品ある文体をもって21世紀ジャズの魅力を解説する音楽好きには必読の書籍になっている。
(本書より)
ジャズは常に最先端を探究してきたし、複数の領域にわたり実験をおこなってきた。その点は、過去はもちろん現在も同様だ。しかし前衛の修錬と形式上の発明は今や著しい度合いで主流にまで巧みに浸透し、ジャズの美学的な中心をずらしてしまった。骨董品収集めいたホット・ジャズ熱──懐古趣味を堂々と認め、誇りとする者たちの領域──の復興ですら、多言語的なハイパーモダニズムを志向する現潮流、予想外の混合物と集合体を目指すトレンドをせき止めることはできない。(登場するアーティスト)
カマシ・ワシントン、ウィントン・マルサリス、セシル・マクロリン・サルヴァント、ブラッド・メルドー、エスペランサ・スポルディング、ジョシュア・レッドマン、ジョン・ゾーン、ティム・バーン、ジャック・ディジョネット、ポール・モチアン、ウェイン・ショーター・クァルテット、ジェイソン・モラン、マーク・ターナー、オーネット・コールマン、ヴィジェイ・アイヤー、ロバート・グラスパー・エクスペリメント、フライング・ロータス、ジェフ・パーカー、エスペランサ・スポルディング、シャバカ・ハッチングス、モーゼス・ボイド、リオーネル・ルエケ…………そしてメアリー・ハルヴォーソン…………(ほか多数)
変わりゆくものを奏でる──21世紀のジャズ
ネイト・チネン(著)坂本麻里子(訳)
本体 3,200円+税
序文
1 政権交代
2 フロム・ディス・モーメント・オン
3 アップタウン、ダウンタウン
4 山を演奏する
5 新たな年長者たち
6 ループされるギャングスタリズム
7 ジャズを学ぶ
8 侵入し急襲せよ
9 変わってゆく同じもの
10 露出
11 十字路
12 スタイルの対決
後書き
※21世紀の(2024年の現時点までの)必聴アルバム選:154作