投稿日 : 2025.01.27
ジャズ・プレーヤーの日常と心情を綴る─ 映画『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン』日本公開
ジャズ奏者たちの日常を追ったドキュメンタリー映画『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン』が、2025年2月28日より順次全国公開される。
本作はデンマークの映画監督、ヨルゲン・レスとアンドレアス・コーフォードによるドキュメンタリー作品。ジャズ・ギタリストのヤコブ・ブロを追いつつ、彼と共演してきた音楽家たちにもフォーカスし、音楽家同士の交流や個々の生き様が描かれている。
本作の撮影には14 年間もの歳月が費やされ、登場するミュージシャンも多彩だ。前出のヤコブ・ブロと同様、世界屈指のギタリストとして知られるビル・フリゼールや、日本人アーティストの高田みどりなど、名だたるプレーヤーたちが登場。さらにはドラマーのポール・モチアン(2011年に死去)や、サックス奏者のリー・コニッツ(2020年に死去)といった、亡きレジェンドたちの晩年の様子も窺える。
そんな彼らの日常や創作の現場をカメラが捉え、 “現代ジャズのありよう” の一端を垣間見せてくれる。と同時に、登場人物たちの行動や言葉によって、この作品の主題ともいえる「彼らにとって音楽とは何なのか?」が淡々と綴られていく。
ジャズ奏者にとって「演奏する」とはどんな行為なのか。はたまた「聴く」とはどういうことなのか。彼らが人生をかけて、音で何かを表現しようとする、その行為は一体何なのか。そうした音楽家としての実存的な問いに、登場人物たちは自身の行動や言葉をもって応えていく。
そして観客も「聴く者(私)はなぜ、これほどまでに音楽に魅了されるのか」と自らに問うことになる。音楽愛好家にとって非常に興味ぶかい内容だ。
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ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ―ジャズが生まれる瞬間―
2025年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、ほか全国公開予定
原題:Music for Black Pigeons
監督:ヨルゲン・レス、アンドレアス・コーフォード
字幕:バルーチャ・ハシム
2022 年/デンマーク制作/92 分
出演:ヤコブ・ブロ、リー・コニッツ、ポール・モチアン、ビル・フリゼール、高田みどり、マーク・ターナー、ジョー・ロヴァーノ、ジョーイ・バロン、トーマス・モーガン、マンフレート・アイヒャー、他