1月23日、“南アフリカ・ジャズの父”、トランペット/コルネット/フリューゲルホーン奏者のヒュー・マサケラが死去。78歳だった。2008年に発覚した前立線癌との長い闘病の末、南アフリカ・ヨハネスブルグで息を引き取ったという。
マサケラの家族は彼のSNSアカウントで「彼は愛する父であり、兄弟であり、祖父であり、友人でした。私たちの心は深い悲しみに打たれています」と声明を発表。
また、南アフリカの大統領ジェイコブ・ズマも「ヒュー・マサケラという才能の死に我が国は嘆いています。これは音楽業界や国全体にとって計り知れない損失です。安らかに眠ってください」との声明を発表している。
1939年、南アフリカ北東部の町ウィットバンクに生まれたヒュー・ラモポーロ・マサケラは、幼少から歌とピアノをはじめ、14歳のときに観た映画『情熱の狂想曲』の影響で楽器をトランペットに持ち替える。
17歳でプロとしてのキャリアをスタートし、20歳で「The Jazz Epistles」を結成。1960年から1964年には米「Manhattan School of Music」で音楽を学び、在米当時は、ルイ・アームストロング、ディジー・ガレスピー、マイルス・デイビス、チャールズ・ミンガスなどと交流を持ったという。
1968年には、シングル「Grazing in the Grass」が「Billboard Hot 100」で1位を記録。1973年には薬物とアルコール依存によりアメリカを離れ、アフリカ諸国でフェラ・クティなどとも活動。1990年には祖国に戻り、ライブ活動とともに20作以上のアルバムを残した。
「FIFAワールドカップ – 南アフリカ大会」での「Grazing In The Grass」
マサケラの家族による声明
No more pain! ?? pic.twitter.com/aSOfJH0HLh
— Hugh Masekela (@hughmasekela) 2018年1月23日