「東京から新しい文化を発信したい」という想いで2002年にスタートし、2014年は、3日間で9万人を動員した国内最大級のジャズ・フェスティバル「東京JAZZ」。今年も、ハービー・ハンコックやウェイン・ショーターといったジャズ界の巨匠たちの出演をはじめ、世界で活躍するミュージシャンたちによる、世界トップ・レベルの音楽が3日間にわたり、東京・丸の内にある国際フォーラムとCOTTON CLUBで繰りひろげられる。この特集では、「東京JAZZ」の名前は聞いたことあるけれど、行ったことがない。そんな読者にむけて「東京JAZZ」の魅力や見どころを紹介。また、今年の出演者であるトランペット奏者の日野皓正、DJの沖野修也とサックス奏者の菊地成孔への取材を行った。
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東京JAZZの魅力
世界的なミュージシャンが夢の共演
「東京JAZZ」の魅力は、なんといっても世界を舞台に活躍しているミュージシャンが多く出演することだ。過去には、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ&ハービー・ハンコック(2002)、SUPER UNIT featuring TOTO ~Rockit RELOADED~(2004)、ハンク・ジョーンズ&ロン・カーター with NHK交響楽団(2008)といった組み合わせも実現している。今年の見どころは、マイルス・デイビスのクインテット・メンバーとして活躍したハービー・ハンコックとウェイン・ショーターの共演。演奏されるのは、それぞれのオリジナル・アルバムからか、両者により作成された『1+1』からか、マイルス・デイビスの楽曲か? どの楽曲がきてもジャズ・ファンには特に見逃せないプログラムだ。そして、ギタリストのラリー・カールトンとトランペット奏者の日野皓正による初共演、そしてそこに加わるジャズ・ピアニストの大西順子のパフォーマンスだ。特に大西順子は、2012年に突然の引退宣言。2013年にクラシックの祭典「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」に小澤征爾氏の猛烈な誘いにより、一夜限りの復活とし出演した以来、「東京JAZZ」でファンの前で久しぶりにパフォーマンスを行う。また、ジャズとクラシックとの共演も「東京JAZZ」ならではのプログラムのひとつ。今年は、ジャズだけでなく映画音楽やクラシックなど幅広い分野で活躍するボブ・ジェームスと東京フィルハーモニー交響楽団がどのような演奏を披露するのか興味深い。これらのスタンダードなジャズだけでなく音楽ファンに注目してほしい若手アーティストも出演する。特に、2011年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したエスペランサ・スポルディングに注目したい。彼女は、エミリーズ・D+エボリューションという新しいプロジェクトで登場し、日本での新プロジェクトは今回が日本初披露となる。
3つの会場とそれぞれの特徴
2002年から2003年までは、東京都調布市の東京スタジアム(現在の味の素スタジアム)で野外ジャズ・フェスティバルとして開催。2004年から2005年は東京ビックサイト。そして2007年から、現在の場所へ会場を移して行われている。全国各地でジャズ・フェスティバルが多く開催されているが、東京のビジネス街“丸の内”という土地柄、「東京JAZZ」ほど都会の中心で開催されているジャズ・フェスティバルもない。会場は、東京国際フォーラムAホールの「the HALL」と同施設の野外広場「the PLAZA」。そして東京を代表するジャズ・クラブであるCOTTON CLUBは「the CLUB」となり、計3会場が舞台となる。各会場とも、JRの東京駅、有楽町駅、また地下鉄などの最寄り駅から徒歩1~7分圏内にあるため、アクセスのしやすさも魅力のひとつ。また、都心部で行われているため、丸ビルなどの商業施設にも徒歩圏内にあり、空いた時間に買い物や食事が楽しめるのも嬉しいポイントだ。
●the HALL&the PLAZA(東京国際フォーラム)
住所:東京都千代田区丸の内3-5-1
●the CLUB(COTTON CLUB)
住所:東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F
INTERVIEW
PROGRAM
- 9/4 FRI
the CLUB
fox capture plan
- “現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとした日本人3人組のピアノ・トリオ。各リリース・タイトルもヒットを続けている。
- 9/5 SAT
the HALL
ボブ・ジェームス&東京フィルハーモニー交響楽団
- コンテンポラリー・ジャズの巨匠とオーケストラが、どんな演奏をみせるか?スペシャル・ゲストにギタリスト渡辺香津美も出演。
- 9/5 SAT
the HALL
ニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット
- “ジャズの歴史に深く根付きつつ若い感性でジャズの今を表現していく事”をコンセプトにした、ジャズ界の気鋭ユニット。
- 9/5 SAT
the HALL
アンナ・マリア・ヨペック・カルテット
- パット・メセニーとのアルバム『Upojenie』は、ポーランドのアルバム・チャートで7週連続1位を誇るポーランドの歌姫。
- 9/5 SAT
the HALL
KYOTO JAZZ SEXTET
- クラブ・ジャズ界を牽引してきた沖野修也が挑む本格的ジャズ・グループ。スペシャル・ゲストにサックス奏者の菊地成孔出演。
- 9/5 SAT
the HALL
エスペランサ・ スポルディング Presents Emily’s D+Evolution
- 2011年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞し、ポップスとジャズを繋ぐヒロインによる注目の最新プロジェクト。
- 9/5 SAT
the HALL
ジャック・ディジョネット・トリオ
- 世界最高峰ドラマー、ジャック・ディジョネットが20年前に結成。ワールド・ツアーを経て満を持して「東京JAZZ」に登場。
- 9/5 SAT
the CLUB
エリ・デジブリ・カルテット
- 1999年、ハービー・ハンコック・セクステットのメンバー。レコーディング、ツアーに同行。イスラエルの代表的アーティスト。
- 9/6 SUN
the HALL
エリ・デジブリ・カルテット
- フィーチャリングに同郷のベーシスト、アヴィシャイ・コーエン、スペシャル・ゲストにピアニスト山中千尋を迎え出演。
- 9/6 SUN
the HALL
日野皓正&ラリー・カールトン SUPER BAND
- 日本のジャズ・シーンを牽引してきたトランペット奏者、日野皓正と偉大なギタリスト、ラリー・カールトンによる初めての共演。
- 9/6 SUN
the HALL
ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター
- マイルス・デイビスのクインテット・メンバーとして活躍した両者の共演とあって特に注目を集めるプログラム。
- 9/6 SUN
the HALL
スティーヴ・ガッド・バンド
- スティーヴィー・ワンダー、ポール・マッカートニーなどのレコーディングやツアーに参加する世界最高峰ドラマーがバンドで登場。
- 9/6 SUN
the HALL
リー・リトナー
- フュージョン・ギターの第一人者。セルジオ・メンデス&ブラジル77のメンバーとしてツアーへ同行。グラミー賞編曲賞も受賞。
- 9/6 SUN
the HALL
フォープレイ
- 1991年にビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで33週1位を記録したスーパーバンド。今年結成25周年。
- 9/6 SUN
the CLUB
ポール・グラボウスキー・トリオ
- オーストラリアのベテラン・ピアニストによるトリオ。デビュー作『6×3』をはじめ、作品の多くがレア盤と化している。
9/4 FRI
[MAIN STAGE]
- トビアス・プライシク・カルテット
- Grand Pianoramax
- Imperial Tiger Orchestra
9/5 SAT
[MAIN STAGE]
- 朝ジャズ・ワークショップ
- バーブラ・リカ
- ADAM at
- PRIMITIVE ART ORCHESTRA
- bohemianvoodoo
- ハシャ・フォーラ
- ドミニク・フィヨン・トリオ Special guest 鳥山雄司
- ローラン・クーロンドル
- Hear here! featuring Lisa Ullén, Nina de Heney, Ida Lundén and David Stackenäs
[東京JAZZ LABO]
- Yamahaプレゼンツ 倉沢大樹エレクトーンLIVE
- ダンシング・イン・ユア・ヘッド / 早稲田大学モダンジャズ研究会&フレンズ+ちんどん
- 早稲田大学ニューオルリンズジャズクラブ
- 高木 里代子
9/6 SUN
[MAIN STAGE]
- 朝ジャズ・ワークショップ
- 金沢ジュニアジャズオーケストラ JAZZ-21
- 小曽根真 presents Jazz Festival at Conservatory All Star Big Band
- クラウス・パイヤー & アーシャ・ヴァルチッチ
- カート・ローゼンウィンケル・ギター・ワークショップ
- アヴィシャイ・コーエン TRIVENI
- JVD-4
- ピーター・ビーツ・トリオ
[東京JAZZ LABO]
- Yamahaプレゼンツ 倉沢大樹エレクトーンLIVE
- 早稲田大学ニューオルリンズジャズクラブ
- 高木 里代子
- イスラエルジャズをもっと知れるトーク・ショー / ドゥビ・レンツ